上海にはいくつかの盒马鮮生(フーマー・フレッシュ)というスーパーがあります。
敢えてこのスーパーについては別枠で取り上げます

目次

盒马鮮生(フーマー・フレッシュ)とは何か?

日本ではニューリテール等、新しい小売りの常態としてとらえられているのがこの「盒马鮮生」です。
アリババという中国のITプラットフォームが仕掛けた小売り業態で、裏では様々なITサービスとつながっています。

例えばスマホから商品を注文できます。
ここまでなら日本と変わりませんが、
・大体30~1時間以内に届けてくれます
・スマホで注文すれば店舗の商品を係りの人が袋に詰めてくれて、配達員が届けてくれます
・しかも配達員がどこにいるか、いつ届くのかがGPSで表示され、リアルタイムにわかります。
・商品のロットトレースができます(どこでどのように生産されたものか)。
これは中国では画期的で、安心な食物を手に入れることができます
・もちろんいままでの購入履歴も見ることができます

この盒马鮮生が顧客に非常に受けたことにより、多くのスーパーがネット販売に参入しました。
さらに見えないところで、購入履歴からのおすすめ機能が働いたり、配達員のピークタイムの最短輸送ルート指示など、細かいところにITなどのテクノロジーが使われているので
日本の企業も注目しているものになります。

したがって意外と小売りの専門誌に取り上げられたりもします。

上海の人からすると何が違うのか?

商売の形態が変わろうと、裏でどんなことをしていようと
一般の顧客からすると関係がないことです。

一般のお客はどのように利用しているのでしょうか?
私が聞いた中国人の夫婦は
1.奥さんが仕事帰りのタクシーや電車の中から食材を注文。
2.購入した食材、想定している料理をSNSで連絡。(買ったエビは炒めてほしい、など)
3.早く帰っている旦那が情報を受け取り、品物の配送を待つ。
4.旦那が品物を受け取ると、料理を開始。
5.奥さんが帰るころには料理が完成。

共働きが普通の家庭では夫婦の連係プレーが必要です。
帰りに買い物・・・等だと子供に夕食を食べさせる時間が遅くなってしまいます。

仕事を切り上げた後、どれだけ効率的にご飯を食べ始めるところまで行きつけるか?
そのための一助としてフル活用しているようです。

また逆に奥さんが早く帰ったとしても、重たい荷物は持てないもの。
(水とか米とか・・・)
こういうものも玄関まで届けてくれますので、非常に重宝しているとのことでした。

その中身は??

スーパー自体もきれいですし、食物もキチンとしています。
配達もきちんとしています。
最近でこそ同じようなサービスがいくつか立ち上がっていますが、
いずれもきちんと応対されているように思えます。

逆に商品を少ししか購入したかった時は配送員には少し気の毒な感じの時もありました。

実際の使い勝手について

スーパーの実店舗でもネットでも使ったことがあります。
まず実店舗ですが、水槽とかで活魚が飼育されていて、面白いです!
ただし結局はただのスーパーでの買い物と同じなので飽きるかもせれません。

むしろ面白いのはネットショップです。
時間にきちんと届きますし、なかなか中国語で伝わらないことも
ネットであれば、クリックするだけなので非常に簡単です。

とはいえ、少し品質について気になってもいたので
大体購入するのは
・エビなどの魚貝(輸入)、上海ガニ
・欧米から輸入されたステーキ肉
などが中心でした。

有りか無しか?

個人的には十分ありかと思います。
特に単身赴任の一人暮らしが時々料理をするのであれば、
その時にこそ活用できると思います。

コロナの影響は?

コロナ後の生活をニューノーマルと呼んだりします。
中国ではたまたまだと思いますが、これらのネットスーパーが発達していたため
使い慣れている人はコロナの時も変わらず、ネットスーパーをりようしていたようです。

その他のニューリテールについて

盒马鮮生の成功を見ていたほかの会社も始めました。
決済の電子化、搬送のはもとより、その日の売れ残りについて自動的に値段を下げながら処分する
ようなことも行っています。

今後伸びる可能性が高い分野になると思います。