中国ではアパートの大家のほうが立場が強いです。
したがってアパートが知らないうちに売りに出されていて
部屋を借りている人が追い出されるというケースがあります。

以前は日系のアパートはそんなに売りに出されなかったのですが、
ここ数年で有名な日系アパートが売りに出され、そこに住んでいた日本人が路頭に迷うケースがあります。

2016年の東桜花苑のケース

こちら浦東にあった日本人向けのアパートで、課長島耕作でも出てきたアパートです。
しかしオーナーが中国の会社に突如売却。
アパートの一階に入っていたコンビニやレストランも撤退させられるという(噂では訴訟になったとか)ことが
おきました。

どんな影響があるかというと
・住んでいる人
もちろん次のアパートを探さないといけませんが、同じようなアパートがたくさんあるわけではありません。
そこで取り合い(空待ち)になります。この時は東和公寓という近くにある同じ日系のアパートの空き待ちが50組を超えてしまい、
打ち切りになるという騒ぎにもなりました。(この後東和公寓は値上げをするという・・・)

結果として東和公寓の値上げに会社負担が耐えられなくなった日本人が退去するという二次被害も出て、
大変な状況になっていました。

・サービスの低下
従業員は解雇されます。今まで日本クオリティできちんとした従業員教育を受けてきたスタッフがいなくなり、
フロントの対応というソフトサービスはもちろん、庭の木やエレベータや浄水器などのハードのウエアのメンテナンスも落ちていきました。

・工事が始まる
従業員がすべて出て行ってから工事を始めたりしません。いきなり工事です。
日曜日の朝から削岩機の音が鳴り響き、庭の木は倒され、有機塗料の匂いが立ち込め・・・。
立ち退きのための嫌がらせみたいになっていました(たぶんその気はないですwww)

・小学校のバス
東桜花苑は駐車場が広かったために日本人学校のバスが複数台止まっていましたので、近くのアパートからも乗車する生徒が朝来ていました。
しかし駐車場が使えなくなってしまい、ほかのアパートの人も引っ越しを考えるようになったようです。

・周りの日系商店の閉店
目の前の別のアパートに入っていた床屋によく言っていたのですが、店長さんが「ここのお店は閉めます」と言っていました。
そして周りのスーパー2軒も店をたたむと。
日本人が住むアパートの前だからこそお店が維持できたので、なくなってしまうと占めるしかないようです。

・習い事も中止
アパートの一室を借りて二胡や中国語など、各種カルチャースクールを営んでいた人も営業中止、もしくは新天地への移転を余儀なくされました。

・中に入っていた幼稚園も
このアパートは非常に大きかったので幼稚園もありましたが、こちらもいきなり閉園となってしまいました。

数百人の日本人が
ここ数年ではトップクラスでひどい退去だったと聞きました。

2020年の東和公寓のケース
こちらも寝耳に水のケースだったようです。
特にコロナで住人の日本人が戻ってきていないケースもあり、そのような場合はかなりもめたと聞いています。

アパートのオーナーもコロナで外国人向けの部屋の稼働率が低下している中で、
売却決断だったのでしょう。

日本人向けのアパートでは会社以外の横のつながりも多かったので
バラバラになってしまう・・・という話もでています。

徐々に日本人が気に入るようなクオリティ、日本人が好むような生活様式(バスタブ付、靴を脱ぐ玄関、畳の部屋など)のアパートが減っているかんじです。