恥ずかしながら私は中国に赴任するまで、「漢字で書かれていて、中国人が話す言葉はすべて”中国語”」と理解していました。
でもこの認識は実情に合っていない感じです。ちょっと説明していきたいと思います。
目次
簡体字と繁体字?
まず中国と一言で言っても
中国本土(中国メインランドとも言います)と台湾があります。
政治的なところはおいておいて、
言葉ということで言えば、
中国本土は「簡体字」といわれる漢字、
台湾は「繁体字」という漢字を使っています。
どうも繁体字が旧字体、簡体字が新字体と呼ばれることもあり、
日本語はこの中間(+派生)という感じです。
文字そのものとしては繁体字が非常に書き順が多いのに対し
簡体字は繁体字を簡素化しているようです。
具体的には
繁体字:亞 簡体字:亚 日本語:亜
繁体字:偉 簡体字:伟
繁体字:備 簡体字:备
繁体字:問 簡体字:问
繁体字:圓 簡体字:圆 日本語:円
繁体字:壽 簡体字:寿
などなど・・・。
いろいろな見方があると思いますが、
繁体字のほうが日本語に近いな、、、という印象ですが、
一部の文字はむしろ簡体字に近かったり、また簡体字も繁体字も日本語になかったりもします。
いずれにせよ、上海を含む中国本土は簡体字を利用しております。
発音について
これがさらに話をややこしくしています。
日本より圧倒的に国土の広い中国。
日本でも北海道の人と沖縄の人が方言どうして話しても通じなかったり、
東北の人と九州の人とでは相手の話すことばに違和感があったりするかと思います。
同じように中国でも北京の人は「儿」(アール)化と言って語尾に特徴があったりするようです。
したがって上海人と広東人がお互い話をしていても、話の後で聞くと「彼の話は半分しかわからなかった」というようなこともあります。
そもそも中国語には四声という強弱方法があります。
同じア~でも四声によって4種類の別のア~になりますので、この辺りが出身地によって違うようでわかりにくいようです。
※それでも日本人の私の発音はわかりにくいではなく、「違う!」と言われるので根本的にダメなのだと思いますが。
更なる方言
この中国本土の「簡体字」をベースとし、北京寄りの発音を「普通語」(プートンホォア)と呼んで学校でならいますが、
さらに上海語、広東語、など全く別の方言もあります。
谢谢は上海語だと「シャジャ」、普通語だと「シェシェ」
你好は上海語だと「ノンホ」、普通語だと「ニーハオ」
などです。
なので赴任当初上海人同士が話をしているのを、別の中国人(湖北省)の方に何を言っているのか尋ねたところ
「上海語で話しているのでわからない」と言われたこともあります。
もちろん普通語に慣れてくると、「違う言葉を話している=上海語では?」と想像もついてきますが、
はじめのころは混乱します。
「しょせん方言でしょ!?」というレベルの違いではないので、とにかくびっくりします。
もちろん広東語も全然異なります。
下記のサイトでは同じことを同じことをいっているのですが、全然違う言葉に聞こえます。
www.youtube.com/watch?v=gCQXiCvEF4E
まずは何を学ぶのか?
もちろん「普通語」になります。いくら上海にいるとは言え、上海以外の土地から来ている人も多いですし、
共通語をまずはマスターする必要があります。
そのうえで上海語が少し話せると色々な場面で役に立ちます。
実際の例としては
・娘と友達がディズニーランドに行く前のバッタモン屋でカチューシャを買ったときに、上海語で交渉したら値段がいきなり下がった
・中国人の同僚が上海語で会社のドライバーに話をしたら、話が弾みすぎて2時間近く話が止まらなかった
・屋台のおじちゃんのサービスがすごかった
等々、同郷の意識や、またふるさとの言葉を話すということで親しみを持ってもらえる確率が高いようなきがします。
学ぶ上で苦労したこと
先にいうと私は頑張った割に中国語がダメなほうです。英語も含め、語学能力は高くないです。
会社でも使わないように、使わないように逃げていたところもありますが、発音の差が決定的にわかりませんでした。
家族を見ると家内も長女も私より短期間で習得しました。しかも利用頻度は私より少ないはずなのに・・・
ここについて中国人の友人に聞いたところ「あなたは音痴なのでは?」と言われました。
確かに音痴で音の高低が正確にはわかりません。
はっきりとしたことは言えませんが、もしかするとこの辺りに問題があるかもしれません。
一方中国のテレビとかは普通語で話をしていても、字幕が出ることが多いです。
この辺りうまく使いこなすと中国語は伸びるかも知れません。